令和拾遺物語

実話を元にした現代の拾遺物語です

初めてのパスポート申請

親友から海外旅行に誘われた葵はパスポートを取得するため市役所へ出向いた。

 

申請書類を手に入れ早速記入を開始。

 

特に問題はないように見えたが、英語アレルギーの彼女は少し狼狽させられた。

 

パスポートには英語表記欄があり、申請書のほぼ全ての欄に英語様式に沿った記入を義務付けられている。住所を逆から書くなど、記入方式が全然違うのも結構ストレスなんである。

 

そもそも日本で取得するのになんで英語で書かなくちゃいけないの?と葵はちょっとイライラしてきた。Surname, Given name, Date of birth, Place of birth, Name of Company, Business Addressなど、あーもーめんどくせぇ!葵のイライラは次第に募り、もういっそ旅行に行くのやめようかなーとか思いつつ、一度コーヒーでも買って休もうと思い、待合の椅子へ腰かけた。はーもうめんどくさーとコーヒーを口にしながら申請用紙をフワッと眺めると、ある言葉が印象的に視界に入り、はぁ?と思った葵のイライラは頂点に達した。

 

 

 

 

 

 

 

 

Sex: と書いてあったからだ。「あのさ、なんでこんなことまで書かないといけないわけ?」とキレながらも、「何か出国の前に検査とかがあるのかな?」と思い、「週3」と書いて提出したそうだ。