令和拾遺物語

実話を元にした現代の拾遺物語です

男子高校生と修学旅行

めっっちゃオナニーしてる男子高校生がいた。していない時間の方が短いかも、と本人が言うくらいとにかくシコりまくっていたらしい。ズリっていない間もちんぽを弄んだり、皮を引っ張ってみたり、玉をムニムニ揉んでみたり、とにかく彼の右手はほとんどの時間を陰茎とともに過ごしているのだそう。

 

夏休みも終わり秋が少しずつ深まるにつれ、彼が最も忌み嫌い、恐れるイベントが近づいてきた。修学旅行である。理由は非常にシンプル。「オナニーできないかもしれない」からである。

彼は頭の中でありとあらゆるシミュレーションをした。夕食の最中に抜け出す。自由行動の合間に公衆トイレ、むしろコンビニ。早朝の大浴場。最後のイメージはついに我慢できなくなった自分がオナニーと共に奇声を上げながら祇園を疾走するといったものだった。

 

一般的な男性なら、ちょろちょろっとしごいて出しちゃえばいいのに、と考えるかもしれない。しかし彼のオナニーに常識は通用しない。

 

その瞬間と気分に調和、シンクロした完璧なおかず、適度に保たれた湿度と温度、それを実現できるレベルの空調設備、艶めかしい雰囲気を醸し出す照明、しかし気取り過ぎもいけない。出来れば月明かりが理想だ。曇天の場合ろうそくを使うこともある。これらが完璧な和合を実現した時に初めて、五臓六腑、臍下丹田、全身を駆け巡る自律神経に快感が駆け巡り、芯からイッたと言える。どれか一つでも欠けてしまえば私はそれをオナニーと認めない。そんな中途半端な射精なら、それはワンカウントに値しないのだ。全細胞の大歓喜、「それが私のマスターベーションなんです。」と彼は言った。

 

結論から言うと彼は旅行先でのパーフェクトオブオナニーを不可能と判断し、辞退を申し出た。担任教師が修学旅行は一生の思い出になるから一緒にいこうと説得すると、「でも京都にはいつでもいけるから。」だそうである。