令和拾遺物語

実話を元にした現代の拾遺物語です

ある日イオンをブラブラしていると、マラソン選手のような恰好をした男が屈伸運動をしているのをふと見つけた。男は二人組で、もう片方の一人はアシックスのジャージを着こみ、ストップウォッチを首から下げていた。

 

 

 

 

そこへ迷子の放送が鳴った。

 

 

 

 

 

 

 

「~君というお子様が迷子となっております。お心当たりのある方は一階事務室までお越しください」

 

 

 

 

 

するとさっきのマラソン男が走っていくのが見えた。

 

 

 

 

 

 

「おとうさんかな?」

 

 

 

 

 

 

周囲の目はそんな感じでその男を見つめていた。

 

 

 

 

 

 

しかしマラソン男は数分後に息を切らせて元の場所に戻ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

片方の男が勢いよくストップウォッチを止めると、「いいと思う」と言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

近づいて、「何してるんですか?」と聞くと、なんでも死ぬまでに絶対ギネス記録が作りたくて、イオン一周のタイムを計ってギネスに申請しようと言うのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういう人の迷惑になることはやめたほうがいいですよ」と優しく諭すと、二人は「すいませんでした」と頭を下げて帰っていった。