令和拾遺物語

実話を元にした現代の拾遺物語です

チャレンジャー

ある小学生たちがブラックバス釣りをしていた。すると一人の小学生が、

 

 

 

 

 

 

 

「チンポで釣るわ」

 

 

 

 

 

 

 

そう言い出した。

 

 

バス釣りにはよくワームと呼ばれる疑似餌が用いられ、ミミズのような形をしていたり、中には芋のような形をしているものもあり、種類は数百にも及ぶ。本来一度使用すると、開発段階で沁み込ませてある魚の好む臭いが消えてしまうので、一本につき一回の使用が基本だが、何度も使えるように専用の液が売られており、そこへ浸けておけば一応半永久的に使用できる。

 

 

チンポで釣ると宣言した小学生はみんながせっせとポッパーだのクランクだのスピナーベイトを投げている中、一人その液体にチンポを浸しては体を湖に沈める、といったことを繰り返していた。

 

 

 

 

 

「ンッバヒイイ!!!!!!!」

 

 

 

 

 

ある日みんなが釣りをしていると、湖に浸かったその小学生が奇声を上げた。

 

「食った!!食った今!!!食ったぁあああああ!!!」

 

しかし事件は水中で起きているので誰にも真相が分からないし、食わせるのではなく釣ると豪語していたので特に誰も反応しなかった。

 

 

 

 

「見てみろよこれ、絶対バスの歯形だべこれ」

 

 

 

 

そう言ってチンポを見せびらかしていたが、そうも見えるし元からあるチンポの筋のようにも見えるしで、やはり誰も相手にしなかった。

 

 

 

数十年後、「ドクターフィッシュ」なるものがブームになった。なんでも小さな魚が古くなった角質を食べてくれるらしく、水槽に足を入れると一斉に群がってきて、その珍しさと話題性から結構人気があった。

 

 

 

 

 

 

 

はい、その通りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

変態小学生が大人になり、やはり彼は変態のままだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そいつは客がいない平日を狙ってドクターフィッシュのいるゲーセンだか温泉だかを訪れ、下半身を水槽へぶち込み、恍惚とした表情で魚にチンカスを食わせているところを店員に見つかって出入り禁止になったそう。